友達婚~5年もあいつに片想い~
「はいはい。」

私は何とか大樹の背中を押して、車の中に押し込めた。

そして私は助手席に陣取った。

「よし!GO!」

私の合図で、車が走り出す。

実家か。

私の実家は、おばあちゃん家だったけれど、今は叔父さん夫婦が住んでいるから、自分の実家って感じはしない。

という事は、実家と呼べるのは、大樹の実家だけ?

「ふふふ。」

「何、笑ってんの?」

「何でもなーい。」

「気色悪。」

今は何を言われてもいいもん。

なんだか、ドキドキワクワクしてくる。

新しい家に行くみたいで。

車は駅を超え、大通りに入った。

「なあ、お袋に渡す物って何?」

「ん?行ってからのお楽しみ。」

「なんだ?それ。」

大樹の口の悪さにもめげない。

そして実家は、思ったよりも遠くにあった。
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