友達婚~5年もあいつに片想い~
すると寝室の奥に、ちょっとした個室があった。

机と椅子があって、パソコンもある。

書類が何枚か置いてあって、赤線も引いてある。

「もしかして、これって……」

一枚の書類を持ち上げてみると、やっぱりそうだった。

私が前に書いた企業の紹介文だった。

「あーあ、見つかったか。」

大樹が私の肩越しに、その書類を覗き込んだ。

「これ、私が書いた紹介文、全部取っているの?」

「そうだよ。」

「なんで?」

大樹は他の書類を取ると、一枚一枚捲り始めた。

「梨衣の紹介文は、企業からも評判がいいからね。これでマニュアルでも作れないかなって。」

「そんな事、私がやるのに。」

私がそう言うと大樹は、私が持っている書類を取り上げた。

「いいんだ。こうして梨衣の記事を読んでいると、それだけで梨衣を想う事ができる。」

そして大樹は、私にキスをした。
< 30 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop