友達婚~5年もあいつに片想い~
「なんか、結婚して一皮むけたって感じするね。」

「そりゃあ、どうも。」

大樹はそのまま廊下を歩いて、玄関で靴を履いている。

お弁当を渡すんだったら、今のタイミングだ。

「あの……」

「なあに?」

「お弁当作ったんだけど……持って行って。」

思い切ってお弁当を大樹に差し出した。

すると大樹はため息をついた。

「俺、弁当いらないんだ。昼飯必要だったら、ファーストフードで食べるから、準備しなくてもいいよ。じゃあ、行ってきます。」

私の体が固まったまま、玄関のドアは閉まっていく。

「はわわわ。」

そのまましゅーっと、廊下に座り込んだ。

「朝食もいらない、お弁当もいらない。えっ?夕食だけで生きてるの?」

まさかそんな小食の人だとは、思わなかった。
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