友達婚~5年もあいつに片想い~
その笑顔が怖い。

今までどんな気持ちで、私と大樹の痴話喧嘩を聞いていたのだろう。

「ごめんね。あずが大樹の事を好きだって、気が付かなくて。」

「当たり前だよ。私、ひたすら隠し続けてたもん。」

ううう。

大樹に片想いだった頃から、『石黒って、カッコいいよね。』と言っていた自分が憎い。

「それで?」

「ええっと、それで。私と大樹で話し合ったの。」

「はあ。」

「その結果、私と大樹は、結婚する前から、その……」

「何よ。」

「……両想いだった事が発覚して。」

あずの呆れた顔があった。

「いや、そんな事を言いに来た訳じゃなくて!」

「いいよ、惚気でしょ。」

「違う!その、言いたかった事は!」

そうだ。ここで言わなかったら、いつ言うんだ!

「私があずの立場だったら、祝福していたと思う。」
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