友達婚~5年もあいつに片想い~
「えっ?」

あずの頭の上に“?”が飛ぶ。

「あずが、私と大樹を祝福してくれたように、もし大樹とあずが結婚する事になっていたとしても、私、祝福していたと思う。」

するとあずは、フッと鼻で笑った。

「ないわよ。」

「えっ、あるよ。」

「私と石黒が結婚するなんて、有り得ないって言ったの。」

「あず……」

そんな事ないってって言葉が出てこない。

「梨衣は、結婚する前から両想いだったって知ったって、言ってたけど。私はとっくに知ってたよ。」

「うそ!」

「親友と、好きな人を見ていれば、分かるよ。」

胸が締め付けられた。

私はあずに、どれだけの我慢を強いてきたのだろう。

「ごめん……」

「謝らなくていいって。」

「でも……」

「ああ、面倒くさい。そう言われると腹が立つ。」
< 69 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop