友達婚~5年もあいつに片想い~
ようやく許して貰った気がしたけれど、私はまだモヤモヤしていた。

大樹って、嫉妬するんだ。

スーッと寝息を立てる大樹を見て、そんな思いが頭を駆け巡る。

最近の大樹は、こっちが困る程に、“好き”をアピールしてくる。

あれだけ冷めていた大樹が。

なんだか、変な感じ。


翌朝、そんな事を一晩中考えていたら、寝不足になった。

「大きな欠伸。」

「うん。眠い。」

そりゃあ、大樹だって一人の人間だから、嫉妬もすると思うけれど……

「わっ、梨衣。コーヒー零れている。」

「えっ?うわっ!」

いつの間にか、コーヒーカップの周りが、ビジョビジョになっていた。

「何、考え事してたの?」

「ごめん。」

慌てて拭いてくれる大樹に、まさか“大樹の嫉妬”について悩んでいるなんて、言えない。

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