爪先からムスク、指先からフィトンチッド
芳香はそっと両手で口を覆い、自分の息を確かめる。自分もさっき使ったばっかりのミントの香りが残っていることに安心して薫樹を迎えるべく、ソファーから立ち上がった。
リビングのドアが開き、スッと薫樹が入ってくる。スーツに一つの乱れもなく、眼鏡を少しだけ直し、美しい、薫り高い薫樹が手を広げる。
「芳香、ただいま」
「おかえりなさい」
芳香は薫樹の胸に飛び込み、今日の香りを吸い込む。エキゾチックでスパイシーだが品よく高貴な香りは『TAMAKI』のようだ。
頭の片隅で『フランス』の文字がよぎるが、貪るような口づけをする薫樹に応じてしまい、そのままソファーに雪崩れ込んでしまった。薫樹の指先はもう芳香の尻の割れ目をなぞり、素早く性感帯をピンポイントで愛撫し、蜜を溢れさせる。
やがて、芳香は我を忘れるような声をあげることになる。
10 君と僕の間
ぼんやりと虚ろに天井を見つめる芳香の頬を撫で薫樹は身体を起こし、お茶を淹れにキッチンに立つ。
半分だけ脱がされたブラウス姿の乱れた芳香の様子を少し離れたところから眺めることが薫樹は好きだった。
もう少しすると芳香は身体を起こし、服装を直すだろう。その時に手を貸せばよいと思っている。
自分が行った愛撫の後が芳香の姿を見るとまざまざと感じられ、情事後の艶めかしさを醸し出している。
初めて会った頃から比べて芳香はとてもセクシーになっている。とまどいと恥じらいと快楽に溺れる感度の良さが、彼女の香りと同等に薫樹を惹きつけている。
ミントティーの香りに気づき、身体を起こす芳香の側に行く。薫樹は頬にキスをし肩を抱いた後、はずした三つのボタンを留め、片足に引っかかっているパンティーをもう片方の足にくぐらせするすると履かせる。
「あ、じ、自分で……」
慌てて自分で履こうとする芳香に任せて、乱れた髪を撫でつけてから薫樹は隣に座った。
「いつも、君は可愛い」
「え、あ、そんな……」
頬を染める芳香にミントティーを勧め、一緒に飲んで爽快感を味わう。
香りを楽しんでいると芳香がカチャリとカップを置いて「薫樹さん」と声を掛ける。
「ん?」
「あの、薫樹さんはフランスに行くんですか?」
「え? ああ、立花、じゃない、鳥居さんから聞いたのか」
「はい……」
「行かないよ。断るつもりだ」
「え? なんでですか?」
「なんでって言われても……。行く理由がないからかな」
リビングのドアが開き、スッと薫樹が入ってくる。スーツに一つの乱れもなく、眼鏡を少しだけ直し、美しい、薫り高い薫樹が手を広げる。
「芳香、ただいま」
「おかえりなさい」
芳香は薫樹の胸に飛び込み、今日の香りを吸い込む。エキゾチックでスパイシーだが品よく高貴な香りは『TAMAKI』のようだ。
頭の片隅で『フランス』の文字がよぎるが、貪るような口づけをする薫樹に応じてしまい、そのままソファーに雪崩れ込んでしまった。薫樹の指先はもう芳香の尻の割れ目をなぞり、素早く性感帯をピンポイントで愛撫し、蜜を溢れさせる。
やがて、芳香は我を忘れるような声をあげることになる。
10 君と僕の間
ぼんやりと虚ろに天井を見つめる芳香の頬を撫で薫樹は身体を起こし、お茶を淹れにキッチンに立つ。
半分だけ脱がされたブラウス姿の乱れた芳香の様子を少し離れたところから眺めることが薫樹は好きだった。
もう少しすると芳香は身体を起こし、服装を直すだろう。その時に手を貸せばよいと思っている。
自分が行った愛撫の後が芳香の姿を見るとまざまざと感じられ、情事後の艶めかしさを醸し出している。
初めて会った頃から比べて芳香はとてもセクシーになっている。とまどいと恥じらいと快楽に溺れる感度の良さが、彼女の香りと同等に薫樹を惹きつけている。
ミントティーの香りに気づき、身体を起こす芳香の側に行く。薫樹は頬にキスをし肩を抱いた後、はずした三つのボタンを留め、片足に引っかかっているパンティーをもう片方の足にくぐらせするすると履かせる。
「あ、じ、自分で……」
慌てて自分で履こうとする芳香に任せて、乱れた髪を撫でつけてから薫樹は隣に座った。
「いつも、君は可愛い」
「え、あ、そんな……」
頬を染める芳香にミントティーを勧め、一緒に飲んで爽快感を味わう。
香りを楽しんでいると芳香がカチャリとカップを置いて「薫樹さん」と声を掛ける。
「ん?」
「あの、薫樹さんはフランスに行くんですか?」
「え? ああ、立花、じゃない、鳥居さんから聞いたのか」
「はい……」
「行かないよ。断るつもりだ」
「え? なんでですか?」
「なんでって言われても……。行く理由がないからかな」