大嫌いの先にあるもの【番外編】
「僕も5年後の世界の記憶があるんだよ。あの時、春音の話を聞きながら美香が強盗に殺される事を思い出したんだ。だから美香を救えた。しかし、僕はその後の事を覚えていなかった」
「その後の事?」
「5年後の世界では美香が亡くなった後、僕と春音は深く愛し合うようになっただろう?」
「何言ってんの。そんな訳ないじゃん」
「春音、隠さなくていい。今は全部思い出したから」
私を求めるようにさらに強く抱きしめられた。
胸が熱い。鼓動が速くなる。
ずっとこんな風に抱きしめられる事を夢見てた。まさか、現実になるなんて……。
「全部、覚えているの?」
黒須が頷いた。
「最初はわからなくて、美香と暮らしながら美香以外の人が心にいるって感じながら暮らしてたんだ。その人が春音の事だって思い出して、自分が抑えられなくなった。それで日本に来たんだ。恋人になる事は出来なくても、せめて春音の顔が見られる所にいたかった。だから、春音の大学で講師をする事にした」
知らなかった。為替ディーラーを辞めてまで日本に来たのが私に会う為だったなんて。そんなに想われていたなんて。
「春音を見る度に愛しくて仕方なかった。触れたくて、抱きしめたくて。春音にはさんざん冷たくあしらわれたけどね」
目頭が熱い。
私だけが苦しいと思っていたのに、黒須も同じ想いだったなんて。
「その後の事?」
「5年後の世界では美香が亡くなった後、僕と春音は深く愛し合うようになっただろう?」
「何言ってんの。そんな訳ないじゃん」
「春音、隠さなくていい。今は全部思い出したから」
私を求めるようにさらに強く抱きしめられた。
胸が熱い。鼓動が速くなる。
ずっとこんな風に抱きしめられる事を夢見てた。まさか、現実になるなんて……。
「全部、覚えているの?」
黒須が頷いた。
「最初はわからなくて、美香と暮らしながら美香以外の人が心にいるって感じながら暮らしてたんだ。その人が春音の事だって思い出して、自分が抑えられなくなった。それで日本に来たんだ。恋人になる事は出来なくても、せめて春音の顔が見られる所にいたかった。だから、春音の大学で講師をする事にした」
知らなかった。為替ディーラーを辞めてまで日本に来たのが私に会う為だったなんて。そんなに想われていたなんて。
「春音を見る度に愛しくて仕方なかった。触れたくて、抱きしめたくて。春音にはさんざん冷たくあしらわれたけどね」
目頭が熱い。
私だけが苦しいと思っていたのに、黒須も同じ想いだったなんて。