恋と、嘘と、憂鬱と。
早口で、そうまくし立てると充希くんは照れたようにプイッとそっぽを向く。
きっと、彼なりに私のことを気にかけてくれてるんだろう。
そんな充希くんが可愛くて思わず、私は心の中でクスリと笑みをこぼした。
「え!逆にいいの…?私はありがたいけど…充希くんもせっかく休みの日なのに」
「…予定ないからいいけど。というか、一人でキッチン入られても心配だし」
取って付け加えたような言い訳を言うと、充希くんは少しだけ歩みを早める。
「…ふふ。ありがとう、お礼に明日のお弁当は充希くんの好きなものいっぱい入れとくね。部活の先輩たちには、充希くんのこと伝えとくよ」
「…弁当に関しては期待せずに待っとく」
充希くんも手伝ってくれることになり、がぜん楽しみになった歓迎会。
私は当日に思いを馳せ、浮足立っていた…。
けど、まさか、充希くんが参加したことで、あんな事態になるなんて…この時はまだ予想もしていなかったんだ。