恋と、嘘と、憂鬱と。
ニコッと笑顔で遥奈先輩は答える。
「うわ!めっちゃ楽しそうっすね!」
「私も賛成〜!」
速水先輩と美桜先輩が続けざまに言葉を紡ぐと「先輩方がいいなら…」と莉里花先輩も首を縦に振ってなんだか嬉しそうだ。
「いいね!楽しそう!ね、季里」
真凛ちゃんもワクワクした様子で私に声をかけてくる。
「お泊りいいね」
「ワクワクするわね〜」
と、遥奈先輩の提案で部員全員が盛り上がりを見せる中。
「遥奈先輩!天体観測ってどこに行くんですか?」
今まで黙っていた霧谷先輩がおもむろに口を開き、そう問いかけた。
「うーん、そうねぇ。色々考えてはいたんだけど…山とか海とか…皆どこか行きたい場所ある?予算的にはわりと余裕あるのよ〜部費も集めてたしね」
遥奈先輩も霧谷先輩の質問に考え込んでいる様子。
…天体観測できる場所か…。
正直、この辺りのことはまだ詳しくない私は何も思いつかない。
「うちの地元は星綺麗に見えますけど…この辺詳しくなくてどこがいいのか…」
何気なくポツリとそんな言葉を呟いた時。
「…え、いいじゃん!季里の地元!」
私の言葉を拾ったのは真凛ちゃんだった。