恋と、嘘と、憂鬱と。


原先輩は、残念そうに教卓に頬杖をついた。


「まぁまぁ、落ち込みなさんな。ほら1人残ってくれてるし、えーっと…お名前は?」


そんな原先輩をフォローしつつ、針長先輩は視線を私に向けると、ニコッと笑顔で問いかけてくる。


「…1年2組の堀田季里…です」


「季里ちゃんか〜可愛い名前だね」


「あ、ありがとうございます…」


「私のことは美桜先輩って呼んで?」


フレンドリーな美桜先輩に少しだけ緊張が解けた気がした。


「あ!美桜ずるい!私のことも莉里花先輩って呼んでね?」


「は、はい!美桜先輩に莉里花先輩ですね…!よろしくお願いします。あの…実は、私、今回は友達の付き添いで見学しにこさせてもらってて…もうすぐ来ると思うんですけど…」


< 82 / 405 >

この作品をシェア

pagetop