恋と、嘘と、憂鬱と。
「先輩たち、皆優しかったし、何より美男美女揃いで目の保養だし…天文部…最高!!」
うっとりと、胸の前で手を組み、嬉しそうに口元をほころばせる真凛ちゃん。
「確かに、先輩たち優しかったし…活動も楽しそうだよね!…あ、そういえば真凛ちゃん、陸上部の方は結局、どうするの??」
そんな彼女に、私は思い出したように尋ねた。
その瞬間、真凛ちゃんはげんなりとした表情を浮べ深いため息をこぼす。
「…とにかく、しつこくてね…。私は高校で、陸上する気はないって言ってんのに、助っ人でもいいからって結構強引なのよ…。ま、次来たらもっとバッサリ言ってやるつもりだけど!私は絶対に天文部に入部するんだから!!」
よしっと、気合いを入れ直す彼女を横目に私が苦笑いを浮べた時。
「季里も、入るでしょ?」
と、真凛ちゃんが満面の笑みで問いかけてきた。
「…うん、ちょっと考えてみようかな」