婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
「シャロン様っ! どうか落ち着いてくださいませ!」
「はあ!? わたくしがわざわざ皇城まで出向いたのに、陛下と謁見できないなんて意味がわからないわ! 侍女のくせに聖女のわたくしに意見するんじゃないわよ!!」
屋敷に戻ってきたわたくしは荒れに荒れていた。
ムカつくことばかりで腹いせに侍女を思いっきり突き飛ばしてやると、よろけた侍女は壁に身体を打ちつけて床に倒れ込む。
「きゃあっ! も、申し訳ありません……」
いちいち大袈裟な反応だけど、情けない様子を見てほんの少しだけスッキリした。
「今後またわたくしに意見することがあったら、これくらいでは済ませないわよ」
「はい……申し訳ございませんでした……」
生意気な侍女は放っておいて、皇后にふさわしいのは誰なのかと思考を戻す。どう考えても呪いを操る魔女よりも、人々を癒す力のある聖女の方がふさわしいだろう。
「それにしても、あの女は魔女のくせにどうやって皇帝に取り入ったのかしら? 皇后にはわたくしのような聖女がふさわしいのに……!」