婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
皇城に来てから、早くも四カ月が経った。
連れてこられた時は一日中暖炉の火をつけていたけれど、今では冷え込む日だけで済むようになった。気温が高くなるにつれて、薬草の育ちも良くなりせっせと世話をして薬作りに励んでいる。
あの『はい、あ〜ん♡』も、そうしないと薬を飲まないとレイが言うので、非常に不本意だけど継続していた。もちろん指を食べられないように、日々攻防している。
治癒魔法は使えないが、こうして魔女から魔女へ伝えられてきた古の知識がある。だから身体の不調や、多少の怪我で困ることはない。難点はその膨大な知識を覚えることくらいだ。
「あら〜! ユーレイ草ちゃんがいい感じに花が咲いてるわね〜! まあまあ、フランダリアさんは今日もビシッとまっすぐに伸びてて素敵よ〜」
こうやって愛情込めてかわいがりながら育てると、薬草の育ちも良くて質のいいものが採取できるのだ。レイが用意してくれた薬草園に入るのは、ノーマンか私くらいなのでいつも気兼ねなく薬草たちに声をかけている。
ノーマンが結界の補強をしてから小動物もやってこなくなった。薬草たちの安全は守られていて、さっき久しぶりにガサガサと気配を感じたくらいだ。