クリスマス

『サンタクロースに頼まれたんだ。君を幸せにしてあげてってね』


普段は口下手な夫がそんな台詞を言うものだから、私は思わず笑った。

だけど胸はドキドキして、幸せな気持ちだった。


夫は私の手にある箱から指輪を取り出して聞く。


『僕と結婚してくれるかい?』


赤い顔をした夫が、とても愛しいと思った。

私はにっこりと笑うと、強く頷いた。


『はい』


夫は安心したように微笑むと、私の薬指に指輪をはめてくれた。

そして私達はその翌年結婚した。

子供も生まれ、私達は家族になっていったのだ。
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