太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
そういえば〝羽倉〞って書くのか…

あの時…
スタッフ紹介で仕切りを任された彼女を見て、福田さんがサシ飲みの時に言っていた言葉を思い出した。

――ソレイユのフロントにいる〝ハクラ マイ〞はできた女だから、何かあれば頼れよ。美人だけど鼻にかけないわ、やたら他人の事を気にかけるわ、真面目だけど面白いわ、マジでいいヤツだから――

その時に何気なく聞いた、
「福田さんの彼女なんですか?」
の問いに返ってきた、
『バッカ、ただの同期だよ。…まぁ、片想いっての?フッ』
という言葉に驚いた。

「容姿端麗の福田さんでも落とせない女性がいるんですね」

『はぁ、そうなんだよなー。アイツはダメなんだよなー』

あぁ、容姿端麗のところは否定しないんですね。

「告白はしたんですか?」

『してるよ、それで断られてんの、何度も』

「何度も…」
何度もしているからでは?とは言えず。

『お前、羽倉を狙うなよ、お前だとオレ絶対勝てないから』

「いや、僕は…」

『まぁ…もしアイツが佐伯を選ぶならしょうがねぇけどやるよ』

「いや、選ばれないと思いますが…ていうか、やるもなにも福田さんの彼女でもないんですよね?…福田さん、酔ってます?」

『…眠い…』

「ちょ、福田さん?」

そんなやり取りを思い出しフッと頬が緩む。


確かに、美人で気さくで人望も厚いなんて、とんだ高嶺の花じゃないですか。
大丈夫ですよ、福田さん。
こんな俺の出る幕ないですから。


でも、ここなら、
ソレイユなら…

今までとは違う、何かがあるかもしれないと、僅かな希望を持ち始めていた自分に、まだ気付いていなかった。
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