太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

ん?男の声……聞き覚えのある様な…
てか佐伯って俺だよな?

不思議に思いながら見回すと、またこのスペースの入口に、ホストっぽい風体の男が立っていた。


「よぉ、佐伯。お前の結婚式の時以来だな」

手嶋さんの隣に来た男がカッコつけてサングラスを外すと、それは大学時代の友人、久保だった。
…見慣れない茶髪のチャラい姿だけど。


「…は?久保?何でお前がここに?」

「月乃さん、こいつは顔で選ぶ男じゃないよ」


俺はスルーか…


「大学の時、全く女っ気のない佐伯に俺が女を紹介して、半ば無理やり付き合わせてみたんだよ。ミスキャンパスの一位の女と。それが、月乃さんとは違う事務所だけど、モデルの〝みきゅるん〞な」

「え…みきゅるんが諒クンの元カノ…?」

「そ。でも、あのみきゅるんでも佐伯はまったくデレなくて、好きとも可愛いとも何とも思わなかったんだぜ?」

「うそ……」

「それほどの女ですら相手にしなかった超草食男の佐伯が、別人に変わるほど惚れ込んだのが、この麻依さん、てワケ」


「そうなのね…みきゅるんがミスキャングランプリって話は本当だったのね…」

おや…月乃さんは本題とは違う方に驚いてるみたいだが…?


すると、ミスキャンと聞いた千紗さんの目がキラーンと光った。

ははは、来るぞ来るぞ。


「あら…麻依はミスキャン三連覇ですが?そして推薦者はこのあたし。ふふん」

千紗さんが麻依の肩に手を掛けて、ここぞとばかりに言う。
ほんとに千紗さんは麻依推しだよな、ははっ。


「さ、三連覇 !?…って三年連続てことよね」

「そうよ。2、3、4年の時にね。ついでに言うと1年の時は彼氏に猛反対されて出られなかっただけで」

「す…すごいわ…」


そっか…当時は幸成さんと付き合ってたんだっけ…

麻依と結婚して、子どもができてもなお、元彼がイイ男だとどうしても心に…じわり…といやな気持ちが漂う。

何で俺ってこんなに自信が持てないんだろ。
麻依はあんなに俺の事を信じてくれてんのに…
…頼りない男でごめん…


「麻依さん……あんな女なんて、麻依さんに比べたらミジンコよ!麻依さんの方が何千万倍も綺麗で可愛いわ!あんな顔だけが良くて性格も男癖も悪い女なんて麻依さんの比較対象にもならな……え……な、何であなたがここに…」

急に言葉の勢いが弱くなった月乃さんが、目を見開いて俺達の後方を凝視する。
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