本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
甘えた声で話しかけるのは、薄ピンク色の医療用ユニフォームを着た二十代前半に見える女性だ。

顎下までのモカブラウンの髪は緩いウェーブがついていて、ショートボブでもふんわりと優しく女性らしい印象を与える。

身長は百五十センチほどに見え、色が白く、ぱっちり二重の丸い目が可愛らしい。

「わからないことがあるんです。薬剤部に戻ってくれませんか?」

「ごめん、僕は昼休憩だから他の人に聞いてもらえる?」

彼女の名前は九波愛華(くなみあいか)。

守也の後輩薬剤師だ。

なぜ名前を知っているのかというと、守也が弁当を買いに来るたび邪魔するかのように現れるのがここ最近続いているためで、気になったのでさりげなく彼に聞いてみたのだ。

守也が言うには愛華は気持ちに弱いところがあって、他の先輩薬剤師より物腰の柔らかい守也を頼りにしているらしい。

(気弱な人には見えないけど......)

守也が困り顔で断っても、愛華は腕にしがみつくようにして食い下がる。

「私は菅内主任がいいんです。主任に教えてもらいたいんです。駄目、ですか......?」
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