本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
すると関根が「あれ?」と声をあげた。

「ねぇ、まんぷくちゃん」

「花福です」

「ダイヤの指輪をしているね。結婚するの?」

「はい。日取りはまだ決まっていませんけど、近々」

真琴はすまし顔で返事をしつつも内心では喜んでいた。

先週のプロポーズの際にもらった指輪はサイズが合わずジュエリー店に直しに出していて、やっと昨日受け取りに行って指にはめることができた。

今日はきっと誰かに聞かれるだろうと嬉しい緊張感の中にいたというのに、客は弁当しか見ていないのか、香奈を含めた誰にも気づかれず寂しかったのだ。

「おめでとう。お祝いに今度プレゼントするよ」

なにか欲しい物はあるかと関根に聞かれ、真琴は驚いて胸の前で手を振った。

「いえ、そんな。お祝いの言葉だけで十分です。お気遣いありがとうございます」

友人でも職場の仲間でもないのにもらうわけにいかないと遠慮した。

「ああ、そうか。俺ひとりからだと受け取りにくいよね。それなら修平と連名にするよ。な?」

関根につられて真琴も修平を見た。

するといつも無表情な彼の眉が明らかに寄っていた。

「祝う気はない」
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