本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
ボソッとした声だが、はっきりと拒否を伝えてきて真琴は戸惑った。

結婚祝いを贈るような間柄でなくても、いい大人なのだから普通は話を合わせるべきではないだろうか。

もしくは、無理に贈るとかえって真琴の迷惑になるなどと適当な理由をつけて断ればいいのに、祝う気持ちすらないと言い放つとは驚いた。

(私は生嶋先生に嫌われているの?)

理由はわからないが、その可能性を考えて少なからずショックを受けた。

美人だともてはやされた経験がなくても、『いつも明るく元気で気持ちがいいね』と弁当売りとして褒められたことは何度かある。

迷惑な絡み方をしてくる修平に対しても、なるべく笑顔で対応してきたつもりだった。

「おめでとうぐらい言えないのか! こいつ、連日の長時間オペで疲れているから機嫌が悪いだけなんだ。気にしないでくれ」

慌てて叱った関根が真琴のフォローもしてくれたが、修平はそれを無視して真琴の左手を取った。

「あ、あの......」

突然の接触に真琴の鼓動は高まり、同時に困惑を深めた。

(私、どうして手を握られているの?)

修平は睨むようにダイヤをじっと見据えると、独り言のように呟く。
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