双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
普段よりも若干早口で事情を説明するところから、よっぽど急な話で慌ただしいのだろう。
「私のことは気にしないで。また今度にしよう。連絡する。じゃあ、急なことなら準備も大変だと思うし、通話切るね。頑張って」
『本当にすまない。必ず今夜連絡入れるから』
「わかった。でも無理しないで。大丈夫だから」
最後まで申し訳なさそうに謝る雄吾さんに、気にさせないようにとこちらも最大限配慮して気丈に振る舞う。
通話を終えてから「ふう」と息をついた。
今日も延期かあ。始まりからトントン拍子だったのもあって、ここに来て見えない壁にぶつかってる感覚になってしまう。まあそれも、私が勝手にそう感じているだけで、雄吾さんは変わっていないとは思うのだけれど。
予定が白紙になった私は、このまままっすぐ帰る気になれなくて、たまたま目に留まった書店に立ち寄った。店内をうろうろと見て回っていたら、今朝先輩たちの話題にのぼっていた経済誌を見つける。
私は吸い寄せられるようにその雑誌に手を伸ばした。パラパラとページを捲ると、雄吾さんが見開きで特集されていた。誌面で見る彼はなんだか知らない人みたいに映る。
私は雑誌を閉じて棚に戻し、書店を出た。
彼の秀でた容姿は出逢った瞬間にわかった。それから、彼の家業に加え、彼自身も素晴らしい肩書きがあり、才能を持っていることも。
でもやっぱり、私の中で彼の一番の魅力はそれではない。惹かれるべきところは、置かれた立場に決して胡坐をかかず、どんな仕事にも誰にでも真摯に向き合う人というところ。
秘書への電話対応や、休日に出かけた先で困っている人を見かけたら率先して手を差し伸べる。尊敬できる大人の男の人。
きっとだからだ。あれだけ業界では有名な人と一緒にいても違和感なくいられるのは、雄吾さんが細やかな配慮をしてくれているからだろう。
私はどう頑張っても彼と同じようにはできない。ならばせめて邪魔をせず、彼といる時にはいつも笑顔でありたい。
頭の隅でずっと雄吾さんのことを考えながら、ぶらぶらと時間をつぶして帰宅をしたのは三時間後。
バッグを置いて手を洗い、ソファに腰を下ろす。
ちらりと掛け時計を見やると、午後九時を過ぎていた。
「私のことは気にしないで。また今度にしよう。連絡する。じゃあ、急なことなら準備も大変だと思うし、通話切るね。頑張って」
『本当にすまない。必ず今夜連絡入れるから』
「わかった。でも無理しないで。大丈夫だから」
最後まで申し訳なさそうに謝る雄吾さんに、気にさせないようにとこちらも最大限配慮して気丈に振る舞う。
通話を終えてから「ふう」と息をついた。
今日も延期かあ。始まりからトントン拍子だったのもあって、ここに来て見えない壁にぶつかってる感覚になってしまう。まあそれも、私が勝手にそう感じているだけで、雄吾さんは変わっていないとは思うのだけれど。
予定が白紙になった私は、このまままっすぐ帰る気になれなくて、たまたま目に留まった書店に立ち寄った。店内をうろうろと見て回っていたら、今朝先輩たちの話題にのぼっていた経済誌を見つける。
私は吸い寄せられるようにその雑誌に手を伸ばした。パラパラとページを捲ると、雄吾さんが見開きで特集されていた。誌面で見る彼はなんだか知らない人みたいに映る。
私は雑誌を閉じて棚に戻し、書店を出た。
彼の秀でた容姿は出逢った瞬間にわかった。それから、彼の家業に加え、彼自身も素晴らしい肩書きがあり、才能を持っていることも。
でもやっぱり、私の中で彼の一番の魅力はそれではない。惹かれるべきところは、置かれた立場に決して胡坐をかかず、どんな仕事にも誰にでも真摯に向き合う人というところ。
秘書への電話対応や、休日に出かけた先で困っている人を見かけたら率先して手を差し伸べる。尊敬できる大人の男の人。
きっとだからだ。あれだけ業界では有名な人と一緒にいても違和感なくいられるのは、雄吾さんが細やかな配慮をしてくれているからだろう。
私はどう頑張っても彼と同じようにはできない。ならばせめて邪魔をせず、彼といる時にはいつも笑顔でありたい。
頭の隅でずっと雄吾さんのことを考えながら、ぶらぶらと時間をつぶして帰宅をしたのは三時間後。
バッグを置いて手を洗い、ソファに腰を下ろす。
ちらりと掛け時計を見やると、午後九時を過ぎていた。