監察医と魔法使い 二つの世界が交わる時

「……よろしくお願いします」

「うん、よろしく……」

蘭の雰囲気がどこか変わったことに冬都たちは気付く。それはまるで、戦場に立つ戦士のようだ。

「フン。小娘や小僧が増えただけではないか。消し炭にしてくれるわ」

ロイドがそう言い、魔法を放とうとする。そんな中、蘭は迷うことなく走り出した。

「ちょっと！？」

危なすぎる行動に冬都は慌てて後を追う。獲物が自分から向かって来ることにロイドはニヤリと笑みを浮かべていた。蘭の口が動く。

「星夜さん！」

刹那、銃声が鳴り響く。ロイドの背後にいつの間にか回っていた星夜が引き金を引いたのだ。銃弾はロイドの肩に当たっているようで、そこから血が流れている。

突然のことにロイドは固まり、冬都たちも驚いていた。だが、最初に我に返った凛都が刀を手に走る。

「今がチャンスだ！！」

その言葉に冬都たちも武器を構え、攻撃を始めた。

大智が魔法で盾を作り出し、みんなを護る。輝一がロイドに向かって雷を落とし、紫月が銃を発砲し、楓が双剣を振り上げる。