純愛ラビリンス
教室にいたのは全員が男だった

「...え?」

1度教室を出てクラスを確認する

たしかに1年C組とかかれているけど...


(一体どういうこと??)


星蘭学園って男子校だったっけ!?

いやいや!クラス表にはちゃんと女の子の名前も書いてあったはず!!!


たしか、、千里(ちさと)ちゃん、、とか...
(私は間違ってない!!間違ってないよ!!)


なんだか脳みそが混乱しているけど、とりあえず席に着くことにする


まだ女の子が1人も来てないだけかもしれないしね...!!!



我ながら少々言い訳がましい気がする...



席に着くと隣の席の子(男)がこちらを向く


うわぁ!この人、すごい綺麗な顔をしてる...!!鼻が高くて目がすこし青っぽい...ハーフ?かな?


「...女の子だ」


いや、はい、そうですけど...
まるで珍しいものでも見るかのようにこちらをじっと見つめてくる


...珍しい?

まさかと思い、聞いてみる

「...あの、この学校って女の子少ないんですか?」

その子は驚いたようにこちらを見ると、相好を崩した

すこし垂れ気味な目が可愛らしい

「あれ、知らないの?学校の募集ミスで男女比が1:29になっちゃったんだよ」

えっ?

星蘭学園は1クラス30人
ってことは...

「まあつまり、1クラスに女子が1人しかいないんだよねーーー」

...???
状況が理解できない

だって、そんなの聞いてないよ?
お母さんも何も言ってなかったし

「え?冗談...だよね?笑」

「冗談だったらよかったんだけどね〜笑」

苦笑いする彼はやっぱりかっこいいなあ
なんてどうでもいいことばかりが頭に浮かぶ

「かわいそうにぃ」

...むか
なんだこいつ

「はーいおはよう」

状況が理解できずにいると、先生が入ってきた



「初めまして。今日からC組の担任の神崎です。さすがに初日は遅刻はいないな笑
よかったよかった」

おお、なかなかスマートでかっこいい先生だ
...なんてどうでも良くて。

「お、...えーと、天野、
 唯一の女子だな笑
本当に申し訳ないがこちらのミスでクラスに1人しか女子がいないんだが...やっていけそうか?笑」

やっていけるわけがないよっ!!
そう口答えできるほど元気もなくなっていた

「...」

私が黙っていると、先生は
「まあ、困ったら言ってくれ、できる限り対処するつもりだから」
と慰めて?くれた

そんなこといわれても...
ああこれが夢だったりしないかなぁ泣



天野月花、15歳
これからの学校生活、上手くやって行ける気がしません。
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