冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
だから目の敵(かたき)のような扱いをしてくる人が少なからずいて、皆痛い目に遭わされた経験がある。


「この仕事も勉強になりました。たしかに私がテナント側でも出店しないだろうなと思いました」


感じたままに話す。
これを商業ビル開発部に行って口にしようものなら、『若造になにがわかる』と袋叩きに遭いそうだ。


「これ」


秋月さんはなぜかアイスコーヒーを指さした。


「コーヒーがなにか?」
「プレジールのCEOと知り合いでね」
「CEO? すごい人脈をお持ちで」


セレブな人たちのネットワークでもあるのだろうか。


「不動産投資の勉強会で顔を合わせて、それからよくしてもらっている。それで、彼に聞いてみたんだ。『テナント料がべらぼうに高くても、立地がよければ出店しますか?』と。そうしたら『お前なら出店するか?』と逆に問われて、『絶対にしません』と答えた」

「は……?」


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