冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
彼の形のいい唇は、メイクを落とした私のそれよりきれいな色をしている。
その唇が、私が使ったストローでコーヒーを飲んだと思うと、妙に恥ずかしくて鼓動が速まってしまった。
「CEOの岩波(いわなみ)さんが、コーヒーには自信があるからブラックで飲んでほしいと言ってたぞ」
「す、すみません。努力します」
「冗談だ」
こんなふうに口の端を上げて笑う彼は記憶にない。
仕事が終わってリラックスしているのだろうか。
「今日はもう帰ろう」
「はい」
もしかしたら、自分が頼んだ仕事だからと待っていてくれたのかもしれない。
それなら申し訳ないと、急いでパソコンの電源を落として、デスクに出してあった資料をバッグに突っ込む。
ところが急ぎすぎて、落としてしまうありさまだ。
「あっ……」
使い込んでボロボロになったノートを拾おうとすると、秋月さんの手が重なった。
その唇が、私が使ったストローでコーヒーを飲んだと思うと、妙に恥ずかしくて鼓動が速まってしまった。
「CEOの岩波(いわなみ)さんが、コーヒーには自信があるからブラックで飲んでほしいと言ってたぞ」
「す、すみません。努力します」
「冗談だ」
こんなふうに口の端を上げて笑う彼は記憶にない。
仕事が終わってリラックスしているのだろうか。
「今日はもう帰ろう」
「はい」
もしかしたら、自分が頼んだ仕事だからと待っていてくれたのかもしれない。
それなら申し訳ないと、急いでパソコンの電源を落として、デスクに出してあった資料をバッグに突っ込む。
ところが急ぎすぎて、落としてしまうありさまだ。
「あっ……」
使い込んでボロボロになったノートを拾おうとすると、秋月さんの手が重なった。