冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
「それじゃあ、こっち」


ようやく腕を放してくれた彼は、私をエレベーターに促した。

地下駐車場で高級車に乗せられて、住所を告げる。

ナビに入力する彼を見ながら、やっぱりついてきたのを後悔しつつあった。

不動産投資についての話は聞きたいけれど、どうしても緊張する。

普段近寄りがたい人だから余計に。


「説教するつもりはないから心配するな」


よほど顔がこわばっていたのか、エンジンをかけた彼が唐突に言う。


「はい」


それから沈黙が続く。
革張りのシートの座り心地は最高なのに、居心地は最悪だ。

車を発進させて大通りに出た彼は、ハンドルを巧みに操りながら口を開いた。


「今住んでいるマンションのBOE分析しただろ?」
「しました」
「俺もそこから始めた」
「そうだったんですか」


一気に親近感が湧く。


「それで、結果は?」
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