スパダリとはなんぞ?
「流花さん、同棲しよ!」
「うん。毎日一緒にいたいね」
私たちは同棲して、ほぼ毎日した。
すればするほどスパダリっぽくなっていく弦一郎君は何なのだろう。
最近すごくイケメン度も高くなってきた気がする。
お酒があまり強くないのはスパダリとしては失格なのだろうが、すごいお洒落なノンアルコールカクテルのお店とかを知っていて連れていってくれたり、なかなかのスパダリっぷりを発揮してくれた。そこで弦一郎君が珍しいからと勧めてくれて飲んだ、アルコールの高いお酒のねっとり感を再現するために野菜のツルムラサキのネバネバを活用し、お花のカスミソウを沈めたカクテルは、残念ながら私に合わなかったが……。
そんなこんなで、弦一郎さんの実家に遊びに行くことになった。
挨拶ではなく遊びにではあるが、ご両親を紹介してくれると言うのだ。
手土産も用意したし、そこそこ改まった服も揃えた。
「スパダリって実家が超金持ちの人が多いみたいだけど、我が家はそこまでじゃないから……」
スパダリに一族郎党殺された過去でもあるみたいな弦一郎君に、もう苦笑いしか出てこない。
「いやいや、だからあなたは私だけのスパダリだから十分だよ。実家の規模で見下したりしないから。私の実家だって狭い一軒家だし」
新幹線に乗り、電車を何度も乗り換えて、タクシーでやってきた。
そして案内されたのは、見える範囲全部が立派な土塀に囲まれた大豪邸だったのだ。
「田舎だから土地だけはあるんだよね。裏の山も全部ウチので、松茸の一大産地なんだ。あと酒蔵くらいしかないけど……」
そう弦一郎さんは恥ずかしそうに言う。
ここらの松茸は超高く都心で売っているし、ここのお酒は超最高級品で超人気なのを私でも知っている。
よって導き出される答えは、弦一郎君の実家は金持ちだ。
実家は金持ち、イケメンで長身で高学歴高収入、そしてあそこはでかいしテクもある。
優しいし、私だけを想ってくれているし……。
ふむ。
「いやいやいや、散々卑下しておいてやっぱりただのスパダリかよ!!!」
私の絶叫は奥にある山々によく響いた。
「うん。毎日一緒にいたいね」
私たちは同棲して、ほぼ毎日した。
すればするほどスパダリっぽくなっていく弦一郎君は何なのだろう。
最近すごくイケメン度も高くなってきた気がする。
お酒があまり強くないのはスパダリとしては失格なのだろうが、すごいお洒落なノンアルコールカクテルのお店とかを知っていて連れていってくれたり、なかなかのスパダリっぷりを発揮してくれた。そこで弦一郎君が珍しいからと勧めてくれて飲んだ、アルコールの高いお酒のねっとり感を再現するために野菜のツルムラサキのネバネバを活用し、お花のカスミソウを沈めたカクテルは、残念ながら私に合わなかったが……。
そんなこんなで、弦一郎さんの実家に遊びに行くことになった。
挨拶ではなく遊びにではあるが、ご両親を紹介してくれると言うのだ。
手土産も用意したし、そこそこ改まった服も揃えた。
「スパダリって実家が超金持ちの人が多いみたいだけど、我が家はそこまでじゃないから……」
スパダリに一族郎党殺された過去でもあるみたいな弦一郎君に、もう苦笑いしか出てこない。
「いやいや、だからあなたは私だけのスパダリだから十分だよ。実家の規模で見下したりしないから。私の実家だって狭い一軒家だし」
新幹線に乗り、電車を何度も乗り換えて、タクシーでやってきた。
そして案内されたのは、見える範囲全部が立派な土塀に囲まれた大豪邸だったのだ。
「田舎だから土地だけはあるんだよね。裏の山も全部ウチので、松茸の一大産地なんだ。あと酒蔵くらいしかないけど……」
そう弦一郎さんは恥ずかしそうに言う。
ここらの松茸は超高く都心で売っているし、ここのお酒は超最高級品で超人気なのを私でも知っている。
よって導き出される答えは、弦一郎君の実家は金持ちだ。
実家は金持ち、イケメンで長身で高学歴高収入、そしてあそこはでかいしテクもある。
優しいし、私だけを想ってくれているし……。
ふむ。
「いやいやいや、散々卑下しておいてやっぱりただのスパダリかよ!!!」
私の絶叫は奥にある山々によく響いた。


