カレンダーガール
翌日。
果歩先生は出勤した。
以前より少し細くなり、長かった髪もベリーショートに変わっていた。

「ご迷惑をかけました」
ひとりひとりのスタッフに頭を下げて廻る。

そして、私は彼女の薬物依存について剛先生に報告した。

打ち明けるその時まで、私は迷っていた。
このまま何も言わなければ、誰も傷つかない。
でも、それではダメな気がした。
多少痛手を負ってでも、今決別しなくては果歩先生は変われないと思った。
とにかく病院をやめさせないでくださいと、それだけをお願いしてすべてを打ち明けた。

その日のうちに、果歩先生は皮膚科への異動になった。
< 192 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop