カレンダーガール
ブブ ブブブ
電話を切ったと思ったら、またスマホが震える。

ん?
見覚えのない番号だ。

「もしもし」
怪しみながら電話に出ると、聞こえてきたのは女性の声だった。

「桜子さん?」
「はい・・・」
返事はしたものの、聞き覚えのない声。

「私、森明日鷹の母です」

えええっ。
一瞬、スマホを放り投げそうになった。

「もしもし? もしもし桜子さん?」
「は、はい」

何で?何で?何で?
頭の中で?が巡っている。
ちょっとしたパニック状態。

「驚かせてごめんなさい」
「いいえ」
さっきから「はい」と「いいえ」しか言っていないなんて、間抜けな私。

「桜子さん。実はお願いがあって電話したの」

お願い?
それって、なんだかとても怖い。

その後どんな会話をしたのかあまり覚えていない。
多分ちゃんと会話をしたのだろうけれど、記憶がない。
確かなのは、会う約束をしたこと。
週末、私は明日鷹のお母様と2人で会うことになった。
< 228 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop