その瞳に映すもの

 入学式での挨拶は、最低限の定型文を読

むことと、後は個人の自由で好きなことを

言っても良いということを言われたので、僕

は早速、その挨拶で好きなことを言わせて

もらうことにした。


 折角だから、有意義な学校生活を送るた

めに、この挨拶を利用することにしたの

だ。僕の自由な発言だけ、言っておくことに

する。


 「僕の学校生活での願いは、友人達と楽

しく過ごすことです。同じ中学から数人の友

だちが進学して来ているのですが、その友

だちに対する文句は一切受け付けません。

釣り合わないとか、僕、私の方が一緒にい

た方が良いとか、そういうのは面倒くさい

です。僕と友だちになりたいなら、友だち

になりたいと言ってくるか、僕が自ら友だち

になりたい人には積極的に声をかけに行き

ます。声をかけた人に対して色々言っている

なと気がついたら、僕の友だちの如月香蓮

くんに告げ口して、邪魔なのでその人をど

うにかして欲しいとお願いします。如月くん

は僕のことを気に入っているので、僕のお

願いなら大抵のことは聞いてくれると思っ

ています。そういう、ことなので、それを踏

まえて、よろしくお願いします。ちなみに、

恋人とかは特に募集してないので、僕が告

白を断ったとしても苦情とかは一切受け付け

ません。面倒くさいなと思ったら、如月く

んに告げ口します。この学校の人なら如月

くんが何者なのか知っているの思うので、

特にここで説明するつもりはありません

が、念の為、説明しておきます。如月くんの

親は社長さんをしていて、親の経営する会

社が大きいので、僕は如月くんにその人脈

を使って、邪魔な人が出て来たら、その人

の両親のお仕事が如月くんの家に関連して

ないか調べて貰って、そこから徐々に圧力を

かけてもらおうと思っています。ここまで言

って、馬鹿なことをする人は居ないとは思

いますが、僕は本気なので、そこのとこ

ろ、よろしくお願いします」
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