スパダリな夫はケダモノな本性を隠せない
 しかし現在の二人は、倦怠期のようなまだまだ改善の余地があると思えるような状況ではないのだ。

 確実に悪化の一途を辿っている今、もう引き返すこともできない場所までやってきてしまっているのかもしれない。
 蹲って、不安を吐き出そうと息を吐く。だが、どうがんばっても根付いてしまった不安は消えてはくれない。

 こんなことなら、新妻らしくしたいから彼からの過剰な愛撫を少くなくして欲しいなんて願わなければよかった。
 幸せすぎる悩みだったのだと気がつく。

 だけど、時はすでに遅いのだろう。自分一人の努力で以前の関係に戻すなんてできないところまで来ているのかもしれない。

 男女の関係は、結局二人の感情で決まる。
 二人で同じ方向を見られないのであれば、そのまま離れていくしかないのだ。
 そして、悠真と凪沙はすでに違うレールに乗りかけているのだろう。

「うっ……っ……ぅ」

 顔を隠し声を殺して泣く。せめてもの強がりだ。
 凪沙はこれからの未来に絶望の色しかないのだと悟り、ただ涙を流し続けた。

      * * * * *

 ――やっぱり不倫は決定的だよね。

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