マーメイド・セレナーデ
「うん、これで終わりかな。あとは夏休みに新しいの2着と、あとこれも。それに仕立て直すから。夏休み、……登校日は大丈夫?」
「あぁ、…………なぁ、他にもいるんだろ、モデル」
「いるけど、どうして?」
「あんた、俺しか見てねぇだろ?」
他にも居るなら、いつ見てんだよ、と思う。
放課後はいつも俺だ。
「だって、柏木くん門限が早いからその後でも十分間に合うの。それに柏木くんと一緒に作業したら他の女の子は邪魔になるだけだもの」
門限じゃねぇよ、と小さく口の中で転がした。
だが、門限とは違うといっても結局は似たようなものだ。
「おっかねぇな」
「……自分のこと、一番よく知ってるくせに。柏木くんの魅力、あたしも分からないわけでもないのよ。ただ、」
それ以上先輩は何も言わなかったけれど。
ふと、この服が誰のために作ったのか、とぼんやりと考えた。
「あぁ、…………なぁ、他にもいるんだろ、モデル」
「いるけど、どうして?」
「あんた、俺しか見てねぇだろ?」
他にも居るなら、いつ見てんだよ、と思う。
放課後はいつも俺だ。
「だって、柏木くん門限が早いからその後でも十分間に合うの。それに柏木くんと一緒に作業したら他の女の子は邪魔になるだけだもの」
門限じゃねぇよ、と小さく口の中で転がした。
だが、門限とは違うといっても結局は似たようなものだ。
「おっかねぇな」
「……自分のこと、一番よく知ってるくせに。柏木くんの魅力、あたしも分からないわけでもないのよ。ただ、」
それ以上先輩は何も言わなかったけれど。
ふと、この服が誰のために作ったのか、とぼんやりと考えた。