マーメイド・セレナーデ
『ねぇ、今度の文化祭でファッションショーをするの。柏木くん、モデルになってくれない?』



引き受けたのはちょっとした興味から。



『なぁ、それって俺でも描けるか?』



自分でも描いてみたかったのは、なんとなく。

そして、今日。
ステージを歩いてみて気付いた。



「俺って、モデルじゃねぇな」

「え?何か言った」

「いいや、何も」



決めたこと、間違いはなかった。
俺はこのとき確信した。俺は、先輩側の人間だ。
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