御曹司様はあなたをずっと見ていました。
進一郎さんの母親は、私を睨むように鋭い視線を向けた。
それは、進一郎さんの怒りが全て私のせいだと言っているようだ。
「梨沙さんとおっしゃるの?…あなた…いくら欲しいの?…社長夫人になりたいのかしら。」
何を言っているのだろうか。
私は驚き過ぎて言葉が出ない。
すると、進一郎さんが母親に向かって、さらに厳しく冷たい目を向けた。
「梨沙をバカにしているのですか…あなたとは、もう話をしても無駄のようですね。」
進一郎さんは、いきなり立ち上がると、私の手を引いて部屋を出ようとした。
その時、父親の静かな声が、部屋に響いたのだ。
「進一郎…わからないのなら、お前の好きにするが良い…ただし、明日から会社にお前の席は、無いと思え…頭を冷やすのだな。」