御曹司様はあなたをずっと見ていました。

朝の気配に目が覚めた。

ゆっくりと目を開けると、見慣れない白い天井が見える。

(…そうだ、私…昨日…進一郎さんと…)

私はそっと自分の隣に目を向けた。

しかし、そこには寝ていたはずの進一郎さんの姿はない。
何故かわからないが不安な気持ちになった。

これは、全部が夢だったのかも知れない。
そもそも、進一郎さんと出会った事さえも夢だったら…。

私は急にベッドから立ち上がり、隣の部屋に繋がるドアを開けた。


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