ずっと、好きなんだよ。
カーテンの隙間から漏れる光で目が覚めた。


ゆっくりと身体を起こしたが、全くだるくもどこも痛くもなかった。


咳は多少するが、前日の比ではない。


きっと、これも...


アイツのお陰なのだろう。


握られていた右手の温もりがまだ忘れられない。


オレの心にずっと確かにある存在...


朽木奈和。


また過ちを犯さないように今のオレがちゃんと前を向いて歩くしかない。


淡くでも照らしてくれた道を、オレは歩いて走って、時に転んでも、見つけるから。


オレなりの答えを。


だから、答えが見つかったら、


今までみたいにオレの声に耳を傾けてほしい。


朽木、


それまで待っててくれ。


淡い、光でも。


オレが灯せるようになるまで。


どこにも行かずに、


そこにいてほしい。



「あれ?れお、起きてる~。熱は?咳は?」


「心配かけて悪い。でも、大丈夫だから。ほんとにもう...大丈夫」



大丈夫。


だって、アイツが、


信じてくれているから。


オレは再び光に向かって歩き出す。
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