原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 ダンカンから勧められた強い酒のせいで不測の事態になったのだ、とオスカーは自分を責めた。

 自分が酔っていたから、ミシェルにそういう関係を強いたのかもしれない、と素直に彼女に接することが出来ない内にミシェルと王太子アーノルドは付き合い始めてしまう……



 朝食の席で、今朝も食が進んでいないオスカーに目が吸い寄せられて何度も見てしまった。
 彼もまたロザリンドを見ていたのか、何度も目が合った。



「ロージー」

 朝食後、私室に戻りもう一度ノートのおさらいをしようとしたロザリンドに、オスカーが声をかけてきた。


「君も……何も予定がないのなら、明るい内だけになるけれど祭りを見に行かないか?」

「……お義兄様と?」

「18時にグレンと約束しているから、それまでで良ければなんだけれど……
 ふたりだけで……ダメかな?」
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