原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「オスカー様が議会で王族と承認されれば、彼だってこの部屋で特別ランチが食べられるのよ。
 またその時にお召し上がりになれば、よろしいのよ」


 アビゲイルは微笑んでいるが、これは皮肉なのだろうか?
 チカ先生、やっぱりお怒りになっていらっしゃる?

 何を言っても言い訳だと受け取られてしまうかもだが、『私だって』と言わせて貰いたい。


『それで作品が面白くなると思ったんです』
『出生の秘密なんて、ヒーローにはぴったりだなと思ったんです』


 思ったんです、思ったんです。
 頭の中で思っただけだったのに。
 それが本当になるなんて。
 私だって思っていなかったんです。


 ……本当は言い訳なんて、するつもりは無い。
 何て言えば、この気持ちが伝わるのだろう。
 ごめんなさい、とまだ言ってなかったっけ。
 そうだ、まず謝らないと。
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