原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 そんな甘いロマンチックなロザリンドの想いに
気付いていないオスカーが話し出した。


「グレンフォ……
 チカ先生が君が元気になったら、3人でまたチームを組もうよ、と言ってるんだ」

「何のチーム?」

「この世界にはまだ、マンガ文化が無いだろ?」

「……」

「誰かが始める前に、マンガの産みの親、マンガの神様になりたいらしい。
 俺は伝説のマネージャーで、君はロマンスの
女帝になれるから、と頼まれた」

「……」

「ウェズリーのウチが小さな新聞社持ってたよね?
 大きな老舗の出版社は冒険を恐れてダメだから、中堅のニュースペーパーに四コマ……
いや、四コマって難しいからさ。
 取り敢えず16コマぐらいのマンガを週一掲載で、営業かけようかな、と思ってるんだ。
 チカ先生もそのペースなら大丈夫、描ける、って言ってるし」


 この世界初のマンガの誕生を熱く語るオスカーの横顔を、ロザリンドは複雑な思いで見つめた。


 ……神様、特別なヒーローじゃなくてもいい、
普通でいい、と願いましたが。
『営業かける』なんて言うヒーローは……


「コミカライズもいいけれど、君の小説も出版しよう。
 注目されたら舞台化もして、イケメンだらけの2.5次元ミュージカル、絶対に流行るな。
 ペンライトは難しくても、アクキー作ってさ。
 推しキャラのうちわも最初は運営が作って販売して、基本が分かればそこからは各自で好きに作れるようになるしね」


 商売としてだけじゃなく、この世界の推し活文化を始める気満々ね?
 本当に、ヒーローらしくないんだから……


 だけど、なんか新しくて、私は推せます!
 他の人が推さなくても、私は貴方を推します!

 それでいいんです。



 推しのお義兄様は誰にも渡しませんから!




   おわり


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