これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
「ありがとうございます。弘樹、食べよう?」
私は武志さんにお礼を告げるけど、弘樹は恥ずかしいのか視線を泳がせている。そんな弘樹の様子に武志さんは動じることもなく、ごゆっくりと極上スマイルつきの会釈をすると、カウンター奥の厨房へと下がっていった。そんな武志さんの後ろ姿を弘樹は目で追っている。
武志さんの姿が見えなくなると、弘樹も我に返った。
弘樹はゲイではなく、性別関係なく愛せるバイセクシャルだ。
そして私は、二次元アニメとBL大好きな腐女子である。
私のアニメ好きは随分昔から公言していたので、徹也くんを含めたみんなもそのことは知っているけれど、お腐れさまについて、リアルの知り合いで知っているのは弘樹だけだ。なので、この手の話ができる相手は、弘樹以外に誰もいない。
学生の頃はBLに対する偏見が今よりも強く、BLが好きだと口にすれば白い目で見られて肩身の狭い思いをしていた。
なので肌色の露出が多めな本は、誰にも見つからないように表紙には必ずカバーをかけて、ダンボール箱に入れた上でクローゼットの奥に隠すように保管していた。
そんなある日、購入したばかりの本をどうしても早く読みたくて、鞄の中に忍ばせていたところを弘樹に見つかってしまったのだ。
私は武志さんにお礼を告げるけど、弘樹は恥ずかしいのか視線を泳がせている。そんな弘樹の様子に武志さんは動じることもなく、ごゆっくりと極上スマイルつきの会釈をすると、カウンター奥の厨房へと下がっていった。そんな武志さんの後ろ姿を弘樹は目で追っている。
武志さんの姿が見えなくなると、弘樹も我に返った。
弘樹はゲイではなく、性別関係なく愛せるバイセクシャルだ。
そして私は、二次元アニメとBL大好きな腐女子である。
私のアニメ好きは随分昔から公言していたので、徹也くんを含めたみんなもそのことは知っているけれど、お腐れさまについて、リアルの知り合いで知っているのは弘樹だけだ。なので、この手の話ができる相手は、弘樹以外に誰もいない。
学生の頃はBLに対する偏見が今よりも強く、BLが好きだと口にすれば白い目で見られて肩身の狭い思いをしていた。
なので肌色の露出が多めな本は、誰にも見つからないように表紙には必ずカバーをかけて、ダンボール箱に入れた上でクローゼットの奥に隠すように保管していた。
そんなある日、購入したばかりの本をどうしても早く読みたくて、鞄の中に忍ばせていたところを弘樹に見つかってしまったのだ。