ラスボス聖女に転生してしまいました~婚約破棄され破滅する運命なので、生き延びるため隣国で錬金術を極めます~
そして手続きやらなんやらを最速で終わらせたフェネキス王宮は私をこの馬車に乗せたのだ。
「つまりゲームの展開と同じってことよね……」
エルドラド殿下に殺されそうになったときはまさかゲームとは違うシナリオなのかと思ったが、そうではないらしい。
となると私の運命は、いずれにしろ悲劇的なものとなりそうだ。
このまま私はフェネキス国王の目論見どおり魔王としての力に覚醒。
そして聡明な妹のシェリアが私を止めるためにいち早くアルゲニアに乗り込む。
彼女は真の聖女としての力を解放して魔王となったラスボスである私を殺す。
(このまま自分は大好きな妹に殺されるのを待ちながら人質生活を送るのか……。はぁ、もう嫌だ、そんなの……)
絶望的なこれからを考えるだけで気が重い。
それに闇の魔力……今は自らの光の魔力で抑えることができているが、常に精神を集中しなくてはならないので眠れない日々が続いている。
この先、私はジワジワと闇の魔力に侵食されてしまうのだろうか。修行で鍛えた精神力を以てしてもそれに耐えうることができるか自信がなかった。
向こうに着いたらどうする? 事情を話して反応をうかがってみる?
『余計なことは口走らぬことだ。でないと両国間で再び戦争が起きて多くの民が死ぬぞ』
フェネキス国王陛下は最後に私にそう忠告した。
まるで戦争が起こったら私のせいだと言わんばかりに。
だからこそこれからの立ち振る舞いがわからない。どうするのが正解なのか全然わからないのだ。
ゲームのシナリオでは魔王の後継者であるリルアは幽閉されていたと言われていた。
つまり魔王になる前にリルアは事情を話している可能性が高い。
おそらく正直に自らの境遇を話して、自らを殺すように頼んだのだろう。
しかしなぜかそれは叶わず幽閉するに留められ、リルアは魔王として目覚める。
ここにどういう経緯があったのか、それも謎に包まれているのだ。
(なんかこう。せっかく前世のゲーム知識があるのにもどかしいわ)
漫画や小説なんかではこういうゲーム知識があると上手く立ち回って、ハッピーエンドに向かうみたいなそんな展開があるんだけど……。
このゲーム、裏設定が多すぎて知っていれば知っているほど絶望しかない。
「つまりゲームの展開と同じってことよね……」
エルドラド殿下に殺されそうになったときはまさかゲームとは違うシナリオなのかと思ったが、そうではないらしい。
となると私の運命は、いずれにしろ悲劇的なものとなりそうだ。
このまま私はフェネキス国王の目論見どおり魔王としての力に覚醒。
そして聡明な妹のシェリアが私を止めるためにいち早くアルゲニアに乗り込む。
彼女は真の聖女としての力を解放して魔王となったラスボスである私を殺す。
(このまま自分は大好きな妹に殺されるのを待ちながら人質生活を送るのか……。はぁ、もう嫌だ、そんなの……)
絶望的なこれからを考えるだけで気が重い。
それに闇の魔力……今は自らの光の魔力で抑えることができているが、常に精神を集中しなくてはならないので眠れない日々が続いている。
この先、私はジワジワと闇の魔力に侵食されてしまうのだろうか。修行で鍛えた精神力を以てしてもそれに耐えうることができるか自信がなかった。
向こうに着いたらどうする? 事情を話して反応をうかがってみる?
『余計なことは口走らぬことだ。でないと両国間で再び戦争が起きて多くの民が死ぬぞ』
フェネキス国王陛下は最後に私にそう忠告した。
まるで戦争が起こったら私のせいだと言わんばかりに。
だからこそこれからの立ち振る舞いがわからない。どうするのが正解なのか全然わからないのだ。
ゲームのシナリオでは魔王の後継者であるリルアは幽閉されていたと言われていた。
つまり魔王になる前にリルアは事情を話している可能性が高い。
おそらく正直に自らの境遇を話して、自らを殺すように頼んだのだろう。
しかしなぜかそれは叶わず幽閉するに留められ、リルアは魔王として目覚める。
ここにどういう経緯があったのか、それも謎に包まれているのだ。
(なんかこう。せっかく前世のゲーム知識があるのにもどかしいわ)
漫画や小説なんかではこういうゲーム知識があると上手く立ち回って、ハッピーエンドに向かうみたいなそんな展開があるんだけど……。
このゲーム、裏設定が多すぎて知っていれば知っているほど絶望しかない。