ラスボス聖女に転生してしまいました~婚約破棄され破滅する運命なので、生き延びるため隣国で錬金術を極めます~
とにかく今わかっているのは、おそらくリルアは事情を話せる程度の信頼ある人物と出会えるということ。
そうだ。そうだった。彼女の……つまり私の身元を引き受けてくれる人って、確かあの人だった。
私は一番大事なことを今さら思い出した。
ということは、もうすぐあの人に会える。リルアが事情を話せるくらいの信頼を持ったとされるあの人に……。
「聖女様、おそれいりますがここで馬車を降りてください」
「わかっています」
フェネキス王国とアルゲニア王国の国境沿いにある関所に到着すると、私はようやく外に出ることができた。
まぶしいくらい輝く陽の光を久しぶりに全身に受けながら、兵士たちに連れられて私は関所の中に入る。
話によるとそこで私の身元を引き受けるという使者が待機しているらしい。
「お待ちしておりました。フェネキスの聖女様」
中で待っていたのは兵士たちを束ねた、銀髪で眼鏡をかけた男性だった。
鼻筋が通ったきれいな顔立ちで、優しそうだがどこか憂いのありそうなアイスブルーの瞳。上質な生地を使った紺色の貴族服に階級を表す紋章入りのマントをつけている。
物腰は柔らかく微笑んでいる彼だったが、聖女として魔術師としての経験からわかる。この人、とんでもない量の魔力を有している。
「僕はレオンハルト・オーレンハイム。あなたの身元引き受け人です。リルア・エルマイヤーさん。しばらくの間よろしくお願いします」
「リルア・エルマイヤーです。まさかかの有名な錬金公爵様が私の身元を引き受けてくれるとは思いませんでした」
ニコリと微笑みかけて、自己紹介する銀髪の彼を見て私は大事なことを思い出した。
そう。さっき思い出したゲームの記憶だとリルアを幽閉していたのは研究者で錬金術師だった。
それもただの錬金術師ではない。
レオンハルト・オーレンハイムといえば隣国の若き公爵であり、規格外の錬金術師として私の故郷フェネキス王国にもその名声が轟いている有名人だ。
ゲームのシナリオでは所々で彼のチート設定を知ることができる。
なんせ瀕死の状態から一気に復活する薬やひと振りですべてを燃やしつくす杖、その他にもゲーム内の便利な魔道具や最強クラスの装備は大体レオンハルトが錬金術の知識をもって開発したという設定になっているのだ。
そうだ。そうだった。彼女の……つまり私の身元を引き受けてくれる人って、確かあの人だった。
私は一番大事なことを今さら思い出した。
ということは、もうすぐあの人に会える。リルアが事情を話せるくらいの信頼を持ったとされるあの人に……。
「聖女様、おそれいりますがここで馬車を降りてください」
「わかっています」
フェネキス王国とアルゲニア王国の国境沿いにある関所に到着すると、私はようやく外に出ることができた。
まぶしいくらい輝く陽の光を久しぶりに全身に受けながら、兵士たちに連れられて私は関所の中に入る。
話によるとそこで私の身元を引き受けるという使者が待機しているらしい。
「お待ちしておりました。フェネキスの聖女様」
中で待っていたのは兵士たちを束ねた、銀髪で眼鏡をかけた男性だった。
鼻筋が通ったきれいな顔立ちで、優しそうだがどこか憂いのありそうなアイスブルーの瞳。上質な生地を使った紺色の貴族服に階級を表す紋章入りのマントをつけている。
物腰は柔らかく微笑んでいる彼だったが、聖女として魔術師としての経験からわかる。この人、とんでもない量の魔力を有している。
「僕はレオンハルト・オーレンハイム。あなたの身元引き受け人です。リルア・エルマイヤーさん。しばらくの間よろしくお願いします」
「リルア・エルマイヤーです。まさかかの有名な錬金公爵様が私の身元を引き受けてくれるとは思いませんでした」
ニコリと微笑みかけて、自己紹介する銀髪の彼を見て私は大事なことを思い出した。
そう。さっき思い出したゲームの記憶だとリルアを幽閉していたのは研究者で錬金術師だった。
それもただの錬金術師ではない。
レオンハルト・オーレンハイムといえば隣国の若き公爵であり、規格外の錬金術師として私の故郷フェネキス王国にもその名声が轟いている有名人だ。
ゲームのシナリオでは所々で彼のチート設定を知ることができる。
なんせ瀕死の状態から一気に復活する薬やひと振りですべてを燃やしつくす杖、その他にもゲーム内の便利な魔道具や最強クラスの装備は大体レオンハルトが錬金術の知識をもって開発したという設定になっているのだ。