地味子なのに突然聖女にされたら、闇堕ち中の王子様が迎えにきました
「エマ様がここに納められた頃は、聖地メンフィルとして崇め奉られ、時々聖女が産まれた。聖女というのは穢れない魂を持ち、生まれつきエレメントに好かれる体質だったという」
「しかしここ何百年で聖女はとんと生まれなくなった。悪い気が集まってくるためだったからじゃろう。その頃にはもう、ここはもう清らかな地ではなくなっていたのじゃ。そしてそれを皮切りに、極端な子が生まれるようなった」
「どうも悪い気への耐性が弱いと影響を受けてしまうのか、エマ様の次を確保しておくためにも、聖女が産まれてこなくなったのはこの国にとって大問題じゃった。
「そしてシルヴィア様は、この地をまず清めることに心血を注ぐようになり、それで人身売買を繰り返すようになったのじゃ。まぁ、分かりやすく言うと、極端に攻撃的な子どもは奴隷として売り出すようになったのじゃ」
「エマ様の力は永遠という訳ではない。全世界から後継を血眼になって捜したが、どうしても見つからなかった。
そうこうしているうちに、ついに恐れていたことが起こった。エマの力が後継が決まる前に弱まり、魔獣と戦う戦士に魔獣化という症状が出るようになった」
「昔、災厄が起こった時にも、前兆として今と同じような事象が起きており、エマの後継を探すことはより急務となっていた。災厄の再来だけは、なんとしてでも必ず防がなくてはいけない」
「そんな中、エマ自身がこの千年近く閉じ込められてた中、初めてイヴを選んだのじゃ」
皆が一斉にイヴを見る。
なんで突然、そんなこと言われても何が何だか分からないし、そもそも、そんな選ばれるような立派な人間じゃない。イヴが混乱するさなか、それはイヴを知る花園の生徒達や一部の大人達も同じ思いだった。
その声を代表するように、納得いかないソフィアが声を荒げて主張した。
「なんでよ、なんでイヴなのよ!そいつは特別なんかじゃない。ただの罪人の娘よ!」
背中にまだ新しい傷を負った、ソフィアが叫ぶ。皆の気持ちを代弁しているようで、その周りでうんうんと頷いたり、「そうだ、そうだ!」と彼女に同調した。
大量出血で死の淵にいたはずのソフィア、虫の息だったはず。他の子達も傷はあるものの血は止まって強く意思表示できる位、意識がはっきりしているどころか、大声で叫べていることに周囲は驚いた。
「あんたらがどうして今死んでないか分かるかのう?イヴがあなたを助けたんじゃよ、昨日殺されそうになったのにね。
あんたは同じことができかい?」
「こいつにそんな力があるっていうの!?信じられない!信じたくない!」
わめくソフィアに、目を細める老婆。自分がその奇跡を実体験してもなお、この有様だ。もはや何を言ってもこの子は納得しないだろう。こうやって、納得したくない、信じたくない、という強い気持ちがあるうちは。
この国はもう手遅れかもしれない。この子をもっと早いうちに外に出すべきだった。1人の強い悪質な気というのは周りに強く広く伝播しやすい。
久しぶりに女王から声がかかったと思って、上層に上がってみたものの、この世代がこんなに悪い気に満ちているとは知らなかった。
饒舌だった老婆が何か諦めたかのような顔をしてて、不気味な位に押し黙ってしまった。
ただただ、失望したのだった、若い世代の醜悪な人格に。
目の前の老婆を失望させながらも、それでも花園の生徒達は何が起こっているのか理解できなかった、というか理解したくもなかった。
蝶よ花よと、それはそれは大事に囲われて育てられてきたのに。突然平和な園が戦場と化し、目の前で殺人ショーが繰り広げられたのだ。
そして、今こうして、下等な存在として蔑んでいたイヴがシルヴィア女王に目をかけられ、ガイアの王子様達が助けに来る存在になっている。
今までずっといじめていた女を中心に物事が動き始め、絶対的に優位だと思っていた立場が逆転し、激しく混乱しているのだ。
「しかしここ何百年で聖女はとんと生まれなくなった。悪い気が集まってくるためだったからじゃろう。その頃にはもう、ここはもう清らかな地ではなくなっていたのじゃ。そしてそれを皮切りに、極端な子が生まれるようなった」
「どうも悪い気への耐性が弱いと影響を受けてしまうのか、エマ様の次を確保しておくためにも、聖女が産まれてこなくなったのはこの国にとって大問題じゃった。
「そしてシルヴィア様は、この地をまず清めることに心血を注ぐようになり、それで人身売買を繰り返すようになったのじゃ。まぁ、分かりやすく言うと、極端に攻撃的な子どもは奴隷として売り出すようになったのじゃ」
「エマ様の力は永遠という訳ではない。全世界から後継を血眼になって捜したが、どうしても見つからなかった。
そうこうしているうちに、ついに恐れていたことが起こった。エマの力が後継が決まる前に弱まり、魔獣と戦う戦士に魔獣化という症状が出るようになった」
「昔、災厄が起こった時にも、前兆として今と同じような事象が起きており、エマの後継を探すことはより急務となっていた。災厄の再来だけは、なんとしてでも必ず防がなくてはいけない」
「そんな中、エマ自身がこの千年近く閉じ込められてた中、初めてイヴを選んだのじゃ」
皆が一斉にイヴを見る。
なんで突然、そんなこと言われても何が何だか分からないし、そもそも、そんな選ばれるような立派な人間じゃない。イヴが混乱するさなか、それはイヴを知る花園の生徒達や一部の大人達も同じ思いだった。
その声を代表するように、納得いかないソフィアが声を荒げて主張した。
「なんでよ、なんでイヴなのよ!そいつは特別なんかじゃない。ただの罪人の娘よ!」
背中にまだ新しい傷を負った、ソフィアが叫ぶ。皆の気持ちを代弁しているようで、その周りでうんうんと頷いたり、「そうだ、そうだ!」と彼女に同調した。
大量出血で死の淵にいたはずのソフィア、虫の息だったはず。他の子達も傷はあるものの血は止まって強く意思表示できる位、意識がはっきりしているどころか、大声で叫べていることに周囲は驚いた。
「あんたらがどうして今死んでないか分かるかのう?イヴがあなたを助けたんじゃよ、昨日殺されそうになったのにね。
あんたは同じことができかい?」
「こいつにそんな力があるっていうの!?信じられない!信じたくない!」
わめくソフィアに、目を細める老婆。自分がその奇跡を実体験してもなお、この有様だ。もはや何を言ってもこの子は納得しないだろう。こうやって、納得したくない、信じたくない、という強い気持ちがあるうちは。
この国はもう手遅れかもしれない。この子をもっと早いうちに外に出すべきだった。1人の強い悪質な気というのは周りに強く広く伝播しやすい。
久しぶりに女王から声がかかったと思って、上層に上がってみたものの、この世代がこんなに悪い気に満ちているとは知らなかった。
饒舌だった老婆が何か諦めたかのような顔をしてて、不気味な位に押し黙ってしまった。
ただただ、失望したのだった、若い世代の醜悪な人格に。
目の前の老婆を失望させながらも、それでも花園の生徒達は何が起こっているのか理解できなかった、というか理解したくもなかった。
蝶よ花よと、それはそれは大事に囲われて育てられてきたのに。突然平和な園が戦場と化し、目の前で殺人ショーが繰り広げられたのだ。
そして、今こうして、下等な存在として蔑んでいたイヴがシルヴィア女王に目をかけられ、ガイアの王子様達が助けに来る存在になっている。
今までずっといじめていた女を中心に物事が動き始め、絶対的に優位だと思っていた立場が逆転し、激しく混乱しているのだ。