円満夫婦ではなかったので

「ロボットが受付をしているんですか?」

本社でもまだ導入されていないものだから少し驚いた。

「受付担当のフォローとして機能しています。半年前に導入したんですが、なかなか好評なんですよ」

「そうなんですか」

「ええ。さすがKAGURAの製品だけあって優秀です」

青砥の説明に耳を傾けていた園香は、彼女の言葉のどこかがひっかかり眉を顰めた。

(今、何か……そうだ、KAGURAって名木沢希咲さんの夫の会社だったはず)

思わぬところで希咲と接点が出来てしまったようで複雑な気持ちになる。

(まあ気にし過ぎだよね。職場で名木沢さんの夫の商品を使っているからと言って、会う機会はないだろうし)

「富貴川さん、あまり時間がないので急いで説明しますね」

「あ、はい!」

「ショールームは大きく三のエリアに分かれていて……」

園香は戸惑いを消して、仕事に意識を集中する。

真剣に青砥の話を聞いているうちに、希咲の夫のことは頭から消えて行った。

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