ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
えぇと……もちろん特別な意味はないってわかってるけど。
そんなセリフ、お願いだから平然と使わないで欲しい。
誤解されても知りませんよ?
居たたまれなくなった私は、「そっそういえば」と話題転換。
「今日はオンラインミーティングがあるっておっしゃってましたよね」
ちょっと強引だったけど、ありがたいことにどうやら不自然には聞こえなかったらしい。彼は、あっさり「あぁ、そうだな」と頷いた。
「せっかくパン食で休日モードになったのに、残念だが」
「了解です。じゃあ私はまたアパートの方、行ってきますね」
言うや否や、彼が渋い表情を浮かべるのがわかった。
先週の日曜、それから今日、土曜日。
必要な荷物を取りに行くため、と言って前のアパートに戻っているのだが、それが気に入らないようだ。
「オレが一緒に行けない日をどうしてわざわざ選ぶんだ。何かあったらどうする?」
「真昼間で人の目もあるんですよ? 何も起きませんてば」
佐々木君の動向を未だに心配してくれる貴志さん。
まるで保護者みたいだ、と苦笑して、久しぶりにいい天気だから部屋に風を通したいのだと説明する。
「そろそろ梅雨入りですし、お日様は貴重ですから。郵便物も溜まってると思うので」
「手続きして、転送してもらえばいいだろう。掃除だって、オレが人を雇ってやるって言ってるのに」
「貴志さんと違って、貧乏性なんです。あんな狭い部屋を他の人に掃除してもらうなんて、申し訳なくて。それに少しくらい運動もしなくちゃ」