ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

ちょっとその、もうちょっと離れてほし――


「なぁ、今度の日曜の予定は?」

「はっ? え、っと日曜、ですか?」

藪から棒な質問に声が上ずってしまったが、かろうじて応じられた自分を褒めてやりたい。

「ええと……また中国語の勉強をしようかな、と思ってますけど」

仕事で使うことが多くなった分、知識不足を実感する場が多くて。
最近の休みは、大抵勉強に当てている。
それを告げると、彼は顔を曇らせた。

「ぼんやりしてたのは、きっと疲れのせいだと思う。仕事と勉強と、両立は難しいだろ。オレも、織江にはかなり無理させてるなって自覚あるし」

それって……あのプロジェクトに関わるのは私じゃ無理ってこと?
サッと青ざめた私に気づいたのか、慌てたように彼は首を振った。

「いや、だからさ、気分転換したらどうかなと思って」
「気分、転換?」

「あぁ。一緒に出掛けないか? 今度の日曜」

「一緒に……」

お出かけ、貴志さんと……?

ぽかんとして優しい微笑を見つめ返すうち、脳みそにその言葉が音もなく染み込んで――数拍遅れて衝撃波がやってきた。


お出かけ!? 貴志さんと!?


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