ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
「どういうことよっ!! 全っ然納得できないわ!! なんであたしじゃなくてお姉ちゃんなのっ!!!」
金切り声を頼りに応接間へ足を踏み入れるとすぐ、奥のソファに座ったお父さんにキララとお継母さんが詰め寄っている場面が目に飛び込んできた。
「私も納得できません。ちゃんと先方に説明してくださったんでしょうね? キララさんがどんなに素晴らしいお嬢さんなのか、キララさんみたいな素敵なお嫁さんをもらえるなんてどれほど幸運なことか」
「あぁあぁ、もちろんだ!」
うんざりした風に言って顔をしかめたお父さんと、目が合った。
とっさに、私はそこから何か読み取れないかとじっと見つめ返した。
だってもしかしたら、リアルデイズの記事を止めさせたのはこの人かもしれない……
「あぁ、織江、来たのか。入ってきなさい」
でも、くぼんだ小さな目は慢性疲労と寝不足を伝えるだけ。
何もわからなかった。
がっかりしながら進んでいくと、キララとお継母さん、2対の険しい視線に睨まれ、そのいつになく殺伐とした雰囲気に足取りが鈍くなる。え、何か私、やらかしたっけ?
「9月最初の日曜日、空けておきなさい。一緒に出掛けるから」
「え、出かける? ……お父さんと、ですか」
首を傾げる私に、我慢ならないといったような口ぶりでキララが叫んだ。
「絶対許さないから。お姉ちゃんが貴志さんとお見合いなんて、絶対絶対許さないっ!」
「お、お見合いっ?」