ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない


何、今の?


沈黙したまま微動だにしない貴志さんに、本能が警告を発してる。


何があったの……?


「貴志、さん……?」


やがて、不気味なくらいの静けさにすすり泣くような嗚咽が混じりだす。


「ひぃっ……ひぃい……違う、おれじゃない、おれは、これは違うっ……違うんだ、そうじゃなくて……」


うわごとのようにぶつぶつと続くその声……知ってる声だ。


佐々木君?

佐々木君よね。
どうして彼がこんなところに?

疑問を感じつつ貴志さんの腕の中からどうにか抜け出そうともがいていると――……グラリとその身体が私の方へ傾く。

「た、貴志さん!?」


慌てて支える間もなくずるずると長身は崩れ落ち、私たちは一緒に芝生の上に倒れ込んでしまった。


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