ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

「ふぅん……ほうほう、なるほど。一夜を共にした相手から『誰でもよかった』って言われて、いじけてるわけですか」

「はっ?」
い、いじける? オレが!?

反論の言葉を探してパクパク口を動かすオレを目の端に捕らえつつ、いつのまに注がれたものやら、侑吾は優雅に赤ワインのグラスを傾けている。

「まるでガキですね。バージンだというその彼女以上に、君が童貞レベルの恋愛経験しかないということがよくわかるエピソードです」

「な、くっ、……あのなっっ……」

「動揺で口が回っていませんよ」

面白そうに目を細めるこいつを、王子様とか呼んだのは何番目のアイドルだったか。いや、モデルだったか?
どこが王子だ、悪魔の間違いだろうに。

「侑吾に相談しようと思ったのが間違いだった。どっか行ってくれ、オレは一人で飲むから」

クソっと口の中で毒づいて視線を前へ戻すが、くすくすと楽し気な含み笑いは途切れない。

「えぇどうぞ。僕も一人で飲みますから。君の隣でね」

「~~っ……ほんと、オレお前のこと嫌いなんだけど」

「好きの裏返しなんでしょ、わかってますよ」

全然わかってないっ!

「で? 彼女の事、もっと教えてくださいよ。どんな人なんです?」

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