雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
思えば貸切風呂の件から、雨宮課長の様子がよそよそしくなった気がする。

一緒に行動しようと言い出したのは課長のくせに、そばに寄ると一定の距離を取るように離れられてしまう。

これは警戒されているのだろうか?

そんなに私、肉食系に見える?

レストランで夕食を食べている時も、テーブルの向こうに座る雨宮課長がぎこちない。私の話に対する反応は物凄く素気ないし、心ここにあらずって感じ。

私と一緒にいてつまらないのかな。

そうだよね。今日は朝から一緒にいるものね。そろそろ私といる事に疲れるよね。

なんか落ち込む。

せっかくの地元の名産を使ったお料理が全然美味しく感じられない。

課長と夕飯、楽しみだったのにな。

うじうじと茶わん蒸しをスプーンで突っついていたら、「奈々子?」といきなり声をかけられた。

「えっ」

顔を上げると、私の事を可愛げがないと言った男が立っていた。

「成瀬……くん?」

大学生の時につき合った人で、初めての彼氏だ。
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